12-58 ペトラ遺跡 Petra
ペトラとは岩の意味だそうです。ここは紀元前1世紀から1世紀の間にナバタイ人によって作られました。ヨルダン南部シャラ山地の中心部にあります。この地は古代メソポタミアやエジプトを結ぶ貿易時の重要な交差点であったため、スパイス交易などで繁栄。その後ローマ、イスラム軍、十字軍による征服、また大地震により長い間廃墟となっていましたが、1812年にスイス人により発見。1985年、世界遺産に登録されました。
[17-26], [35-53] この遺跡に東から入るには暗くて狭いシク al-Siq と呼ばれる1.2kmの峡谷を通ります。馬や馬車で走りぬけることもできます。雨季 (11月から) になると、雨が一か所に集中。時々土石流や洪水がその細い渓谷を襲います。私たちも旅程が一週間遅かったら危ない目に合うところでした。そこを抜けると突然に明るい光に包まれたピンクの遺跡、エルカズネ Al Khazneh が真正面に現れます。感動の瞬間でした。
[27-34] エルカズネは幅30m、高さ43m。ペトラの中では最も壮大な岩窟建築の宝物殿です。コリント様式の柱頭、帯状の装飾、彫像など複雑な装飾が施されています。元々は王とその妃の墓として作られ、その後神殿として利用され、後に宝物殿となったと言われています。頭頂部に壺装飾 [28] がありますが、この壺の中に古代ファラオの宝物が隠されていると言われていました。が、それは今でも謎です。陽光の角度でバラ色の色調が変化し、ピンクの柔らかな美しさが際立ちます。ここまでが一日目の観光です。
二日目はさらにその先。王家の墓、大神殿、修道院と続きます。残念ながら私は体調を崩し、そこには行くことができませんでした。このあたりには岩窟墓地も500以上残っているそうです。またローマ劇場には生贄の祭壇が残されていることから、元々は神聖な行事や祭式の為のものだったと想像されます。ここはまた、映画「インディジョーンズ/最後の聖戦」などのロケ地として使われた為、有名になりました。
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